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アメリカFRBの金融緩和(QE1・QE2)の内容

2008年の金融危機(リーマンショックAIG&米下院ショック)を受けて、アメリカの中央銀行であるFRBは、大幅な金融緩和を行いました。通常の金融緩和は、政策金利(公定歩合)を下げることが主ですが、この時はそれだけに留まらず、国債などを大量に買い取る「非伝統的金融政策」に踏み切りました。

  まず2008年の11月には、非伝統的政策の第一弾(後にQE1と呼ばれるもの)が行われました。そもそも金融危機の原因であったサブプライムローンの処理として、MBS(住宅ローン担保証券)を1.25兆ドル〜日本円で約100兆円も購入しました。また米国債も3000億ドル購入するなど、1年半の間に合計で1.7兆ドルもの資産を購入しました。
内容 QE1 QE2
時期 08年11月〜10年6月 10年11月〜11年6月
米国債 3000億ドル 6000億ドル
MBS 1.25兆億ドル -
その他 1,750 億ドル -
合計 1.725兆ドル 6000億ドル

これらは、FRBが新規にお金を刷って、マーケットに資金供給を行ったことになります。 ところが、これでもアメリカでは失業率が約10%で高止まりするなど、実体経済は上向きませんでした。そこでFRBは、非伝統的金融政策の第二弾「QE2」として、6000億ドルもの米国債を買い取ることを決定します。

日銀も国債買い取り〜バランスシート拡大をしなければ、円高は続く

  この結果、FRBは2008年6月末から2010年末までの1年半で、バランスシートを約2.5倍に拡大させました。またQE2が終了した2011年6月までの3年間では、バランスシートは3.2倍にも膨らんでいます。一方で、日銀は2008〜10年末までの期間に、約23%しかバランスシートを拡大させていません。日銀の金融緩和(国債等の買い取り)が不足していることは、データから明白です【右グラフ】※注1

FRBはQE1・QE2で合計2.3兆ドルも資金供給を行ったのです。日米の経済格差(米国が約3倍)を勘案すると、日銀も80〜100兆円位はマネタリーベースを増やす必要があったのです。アメリカのマネー供給量が大幅に増えているのに、日本ではほとんど増えていないから、相対的購買力平価に習って円高が進んでいるのです。

中央銀行のバランスシートが拡大することに否定的な学者も少なくありませんが、彼らの主張は真っ赤な嘘です。中央銀行のバランスシートが拡大しようが、負債が増えようが、何の問題もありません。なぜなら、中央銀行は自らカネを刷る権限があるからです。アメリカだけでなく、ECBなど欧州の中央銀行も、カネを刷って国債を引き受けています。また世界大恐慌の1930年代には、日本も日銀がカネを刷りまくり(※注2)、世界でもいち早く不況から抜け出している実績があります。不況時にはカネを刷りまくり、国債を買いまくって景気を下支えすることが不可欠です。バランスシート問題をでっち上げる学者は、日本経済よりも自らの利権のために日銀に媚びを売る、単なる日銀ポチ学者に過ぎません。

リスク回避の円高は嘘のページ等でも触れましたが、FRBがマネタリーベースを激増させている(≒カネを刷ってばらまいている)のに、日銀が全然マネタリーベースを増やさないから、円高が起きるのです。世界の投機筋は、日銀が何もしないと舐めきっているから、躊躇なく円買いをしているのです。金融危機以降の異常な円高は、100%日銀の責任なのです。

日本の不況および財政赤字が、アメリカ以上に問題だらけなのはご存じの通りです。もし日銀が、FRB並の金融緩和をする〜つまり国債の買い取りを激増させれば、日本政府の財政赤字など問題になりません。同時にインフレ&円安も起きるので、輸出が大幅に伸び、税収も増大します。増税などしなくとも、政府の財政は健全化できるのです。こういうと日銀ポチ学者が「ハイパーインフレになる」とほざきますが、アメリカが合計9000億ドルも国債引受を行っても平気なのですから、日銀が数十兆円程度引き受ける程度では、ハイパーインフレなど起きるはずがありません。

 

※注1:共にバランスシートの資産の伸び。データ元はFRBおよび日銀の公式サイトより。
※注2:大胆な金融緩和で不況を脱した、当時の日銀総裁=高橋是清は、今でも世界から高い評価を受けています。

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