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ベトナムドン=円の為替レート推移グラフ

ドン=円の為替レートグラフベトナムの通貨=ドンと日本円との為替レート推移です。90年代後半のアジア通貨危機とは無縁であった(※注1)にも関わらず、ベトナムドンはデノミ(通貨単位の切り上げ)が必要なほどの水準にあります。投稿執筆時(2011年6月)、1ドンは0.0038円と、通貨としては致命的なほど、価値が下落しています。

日本では通常、1外貨あたり何円か?という換算でレートを示します(1ドル=○×円など)。しかし上のグラフのように、1ドンを基準にすると、単位が小さすぎて実感が分かりません。そこで、通常とは逆に「1円=○ドン」の表記方法に直したのが、下のグラフです(※注2)。

2000年初頭には、1円=約130ドン程度だったのが、現在では1円=約250ドンほどです。つまり、ベトナムドンの通貨価値は、この10年ほどで半分に下落していることになります。同様の期間で、米ドル=円は100円台から80円台に約2割ほどの減価です。ということは、円が高くなったのではなく、ドンが急激に安くなっていることを意味します。

この理由の1つは、ベトナム経済が長年にわたり貿易赤字&経常赤字が続いている為です。急激な経済成長で内需は高まっているにも関わらず、国内の生産能力は慢性的に不足しています。また天然資源にも恵まれておらず、輸入超過の状態は当面続くと予測されます。その為、ベトナムでは近年、10%を超える高インフレが続いています。

ベトナム政府は国策として通貨安を進めている

もう一つの理由として、ベトナム政府は意図的に自国通貨=ドン安を誘導している事が挙げられます。ベトナムでは、為替介入によって自国通貨のレートを一定に保つ「管理フロート制」を採用しています(中国が人民元で行っているのとほぼ同じ)。しかし中国が、外圧や国内バブルの影響から徐々にレートを引き上げているのに対し、ベトナムでは逆に通貨の切り下げを続けています。過去2年だけを見ても、2009年11月に5.6%、2010年2月に3.4%、同8月に2%、2011年2月に9.3%と、合計4回=17.9%も切り下げられています。

通貨切り下げの理由は、安価な労働力を背景に貿易黒字を目指しているからです。ベトナムは中国以上に人件費が安い為、日本をはじめ先進国が「ポスト中国の生産拠点」として活用を始めています。自国通貨=ドンが安ければ安いほど、海外企業から見た人件費コストが安くなるので、ベトナムでの生産活動が増えていきます。つまり、これまで中国が行っていたように、通貨安政策を通じて経済成長を促す方針なのです。だから、貿易赤字であっても、また高インフレが深刻化しているにも関わらず、ベトナム政府は通貨の切り下げを続けているのです。

ベトナム政府の通貨切り下げ政策が続く限り、我々日本人のベトナム株投資にはマイナス影響となります。いくら経済成長で株価が上昇しても、為替差損が発生するからです。格付け機関やヘッジファンド等が、ベトナム投資に消極的評価を出しているのも、通貨切り下げが続くと見ているからです。

 

※注1:当時のベトナムは社会主義=対外市場開放を行っていなかった為、アジア通貨危機時もヘッジファンドの攻撃を受けずに済んだ。関連⇒世界のヘッジファンドの資産残高推移
※注2:ドン=円及びその逆の為替レート時系列ファイル(エクセル)。

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