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積み立て投資の有効性

海外投資の基本は、低コストなETF等を使ったインデックス投資であることは、お分かり頂けたと思います。そして、インデックス投資を行う際に有効なのが、ここで説明する「積み立て投資」の概念です。

積み立て投資とは、毎月一定の金額を所定のインデックスファンドに投資することです。『決まった金額』を、『決まった投資対象』に、『決めた時期』に、機械的に投資することで、何を買うべきなのかや相場を読むタイミングなどに悩まされずに済むメリットがあります。確定拠出年金での投資は、仕組み的にこの「積み立て投資」そのものです。

ネット証券では、一部のインデックスファンドは、毎月わずか千円からでも積み立て投資できる環境が整っています。かつては最低1万円単位でしたが、さらに敷居が低くなった訳です。しかも、設定しておけば毎月自動で所定のファンドに投資してくれるので、手間も掛かりませんし、買い忘れる心配もありません。

積み立て投資の有効性を示す図そして、積み立て投資の最大のメリットは、ファンドの値段(基準価格)が途中でいくら下がっても、最終的な損益がマイナスになるとは限りません。それどころか、若い時期はファンドの基準価格が低迷してくれるほど、最終利益が大きくなるのです。

右の図を見て下さい。これは、積み立て投資の有効性を最も端的に表わした、究極の図説です。これは、半値になっても儲かる「つみたて投資」の著者である星野泰平氏が、その有効性を最も理解しやすくなるように作ったというものです。

最初は1万円だったファンドの基準価格が値下がりしていき、7年後には2千円にまで激減しました。その後3年間で5千円まで値を戻しましたが、それでも初値の半分です。このファンドに毎月1万円、10年間総額で120万円積み立てたとしたら、最終利益はいくらになると思いますか?普通に考えたら、ファンドの値段が半分になっているのだから、大損していると思いがちです。もし120万円を毎月1万円ずつではなく、最初に一括投資していれば、資産は60万円に激減しています(-50%)。

ところが、このファンドに毎月積み立て投資をした場合だと、120万円の投資が最終的には139万円に増えるのです!何と、ファンドの基準価格が半分になっているにも関わらず、資産は15%ほど増加するのです。

このからくりは、投資信託の「口数買付」の仕組みにあります。同じ1万円の投資金額でも、基準価格が1万円の時なら1万口しか買えませんが、基準価格が8000円に落ちれば1万2千5百口、5000円の時なら2万口が購入できます。口数買付けでは

投資金額 ÷現在の基準価格 ×10000 =その金額で買える口数

となります。投資金額が一定なら、基準価格が斬減していっても、その分口数を沢山買えます。最終的にファンドを売却する際は「保有口数×その時の基準価格」で、得られる金額が決まります。ゆえに、20年・30年と長期投資をする場合には、途中の段階で基準価格が下がっていても、全く気にする必要がないのです。

投資期間の終盤が重要〜途中経過は関係ない

基準価格と最終利益もう一つ、驚きの図を紹介します。出典は同じく星野泰平氏の著書より。今度は投資期間が30年、毎月積立金額は1万円(累計360万円の投資)で、どの場合も最終価格は5万円です。そして中間の15年を転換点に、暴騰⇒暴落した場合(青)、ほぼ一定に増加した場合(緑)、一旦落ちてから上昇した場合(赤)の比較です。

青線は一旦は12万円まで暴騰しましたが、最終的には5万円まで落ちました。それでも初期値から5倍になっているので、さぞ儲かっている・・・と思いきや、実は最終価格は318万円で、42万円のマイナスなのです!一方で、15年間は下落一方⇒そこから上昇した赤線の場合、最終価格は2089万円、何とプラス1729万円(投資元本の5.8倍)にまで膨らむのです。つまり、途中経過は関係ないどころか、積み立て投資の場合はむしろ途中が不調なほど、最終利益は大きくなる可能性を秘めているのです。

ここまで読んで気付いた人も多いと思いますが、積み立て投資の場合、投資期間の終盤の値動きが極めて重要なのです。逆に言うと、投資を終えて資産取り崩し期になった時に、相場が悪化すると、資産は大きく目減りしてしまうのです。ゆえに、積み立て投資や確定拠出年金の運用では、資産を取り崩す(受け取る)時期の「出口戦略」が非常に重要になります。50歳を超えたあたりからは、値動きの激しい株式ファンドから、債券ファンドや預金など安全性の高い資産へと徐々にスイッチングしていき、築いた資産を守る段階へとシフトしていく方が安全です。

一方で、20代や30代の若い人は、基準価格がいくら暴落しても、恐れるに足りません。株式市場には「リターンリバーサル」とか「平均回帰」といわれる現象が存在します。株式市場全体が一時的に暴落しても、長期的には必ずプラス圏に戻るという法則です。そして上記のように、積み立て投資では途中で暴落を喰らった方が、沢山の口数を買付けられるので、最終利益が大きくなるチャンスだといえるのです。

このことを理解すると、株式市場の暴落は全く怖くなくなります。むしろ、若い内は相場が低迷した方が有利なのですから「安値で買い込めるチャンスだ!」と暴落を歓迎できます。積み立て投資には、相場の下落を恐れずに済む「精神安定剤」になるメリットもあるのです。わずか千円からでも行えるのですから、若い人はぜひ積み立て投資を始めるべきです。

 

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