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アメリカの長期金利(10年物の国債利回り)推移チャート

世界の金融市場で、S&P500指数と共に最も重要な指標の一つである、アメリカの長期金利(10年債の利回り)の推移チャートです。10年債は別名「T-Note」と呼ばれ、1年未満の短期債は「T-Bill」、10年以上の長期債を「T-Bond」と呼びます。

2008年の金融危機(俗に言うリーマンショック)を受け、アメリカの中央銀行(FRB)では、史上初のゼロ金利政策を実行しました。そして2011年9月には、アメリカの長期金利は2%を割り込み、当ページ改版時点(12年6月下旬)で1.6%前後で推移しています。米国の長期金利が2%を割り込むのは、太平洋戦争開戦直前の1941年以来2度目の事ですが、当時は1.98%(月次)でした。つまり、現在の長期金利は、米国史上最低の数値なのです。

長期金利の利回りの低下は、米国債への資金流入が増えている事を意味します。アメリカの各種経済指標が悪化しており、株価が頭打ちした事などから、とりあえずは低リスクな米国債購入へと資金が流れているのです。



source: tradingeconomics.com

アメリカ国債は、世界で最も安全な金融商品であり、このことは未来永劫変わる事はないでしょう。2011年7月には、債務上限問題で米議会が揉め、日本では「米国債がデフォルトするかも」とのニュースも流れました。しかし冷静に考えれば、この問題が単なる法律上の定義に過ぎず、米国債の安全性自体は失われていないことが明白であり、騒ぎにするようなニュースではありません。経済音痴な日本のマスコミが、毎度のように勝手に騒いでいるだけの話です。

そもそも、米国債がデフォルトすることは、絶対にありえない話です(※注1)。もし世界一安全であるはずの米国債がデフォルトとなれば、世界のあらゆる金融市場が体を成さないことになり、あらゆる金融市場が大パニックに陥ります。それはリーマンショックどころの騒ぎではなく、世界経済が破滅することを意味します。故に、誰が大統領でどちらが政権を取っていようとも、最終的にはどんな手段を採ってでも、米国債のデフォルトは回避されるのです。

デフォルトせずとも、為替差損など他のリスクは顕在する

但し、米国債が絶対安全である事と、今すぐ米国債に投資しても良いかという点は、全くの別物です。低金利時に国債を買えば、将来の金利上昇期には必ず価格が下落するので、大幅な損失を出すことになります(※注2)。またアメリカ経済は、意図的にインフレを起こして借金の負担を軽減する政策を採っています。現在の2%程度の利回りでは、将来的にインフレに負け、ドル建てベースでも実質利回りがマイナスに陥る危険性が、非常に高いと思われます。

円建てで見ても、日銀がデフレ政策を続けている事を勘案すれば、短〜中期的には円高が続き、為替差損が発生するリスクが十分にあります。さらに、長期で見れば株式が債券の利回りを必ず上回ってきたという、歴史的事実もあります(※注3)。

FRBのバーナンキ議長は、2013年まで現在の超低金利政策を続けると公言しました。つまり当面は、アメリカの長期金利は低水準が続くと思われます。インフレや為替差損リスクを考えると、2011年現在は投資するに値しない状況だと言えます。

※注1:アメリカでも、1790年に国債の利子を一部繰り延べしたり、1933年の金本位制の停止など、広義の意味でのデフォルトについては"前科"があります。しかし、本格的なデフォルト(元本保証が破棄される)が起こった事は無く、今後も起きないはずです。
※注2;低金利時に買った債券は、高金利の債券が販売されれば価格が下落する。特に10年債など長期のものほど激しく暴落する。
※注3;どの期間を採ろうとも、20年単位で95%超、30年なら100%、株式の利回りが上回る(ジェレミー・シーゲル著「株式投資」より)。

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