FTSE100指数(イギリス)
FTSE100指数とは、イギリスの格付け会社=FTSE(フィッチ)社が定める指数で、事実上のイギリスの平均株価指数となっています。ロンドン証券取引所に上場する、時価総額上位100銘柄を加重平均して算出されています。わずか100銘柄ですが、イギリス全上場企業の80%(時価総額ベース)をカバーしています。通貨単位は英ポンド。
FTSE100指数の構成銘柄上位10 |
企業名 |
セクター |
ウエイト |
HSBCホールディングス |
金融 |
7.1% |
BP(ブリティッシュペトロリアム) |
エネルギー |
5.6% |
ボーダフォングループ |
通信 |
5.5% |
ロイヤルダッチシェル(A株) |
エネルギー |
5.2% |
グラクソスミスクライン |
医薬品 |
4.8% |
リオ・ティント |
素材 |
4.4% |
ロイヤルダッチシェル(B株) |
エネルギー |
3.9% |
ブリティッシュアメリカンタバコ |
生活必需品 |
3.5% |
BHPビリトン |
素材 |
3.4% |
BGグループ |
エネルギー |
3.1% |
※データは11年6月末時点 |
業種別割合を見ると、金融が多いのは予想通りとして、意外にもエネルギーや素材(鉱業)の比率が高い事が目立ちます。イギリスは日本と同じで、国内ではほとんど何も採れない国です。しかし、BPやロイヤルダッチシェルやBHPビリトンなど、海外で鉱山の権益を採るなど、積極的にグローバル展開する企業が非常に多いのが特長です。
但し、いつまでもこれらの巨大エネルギー企業が、栄華を誇り続けられるかは未知数です。かの有名な北海油田は、埋蔵量が枯渇しつつあると言われています。また2010年4月には、BPが保有するメキシコ湾岸の海底油田で大事故を起こし、多額の賠償金が課せられると見られています。簡易で安全に採れる油田のほとんどは、保有国が国営としている為、石油メジャー企業は、常に海底など高コストな場所での採掘と、事故〜賠償リスクを背負っていることになります。また近年は、中国企業が世界中で資源獲得に乗り出しており、権益獲得競争は激化する一方です。
一方で、イギリスのもう一つの主要産業である金融業は、サブプライム危機やAIGショックなどの影響で、大きなダメージを被りました。しかし金融以外に、イギリスが今後の成長産業を見いだせないのが現状です。
イギリスの株式市場は時価総額が大きい為、米国以外の先進国では20%前後の割合を占めています。主要なETFでも大きなウエイトを占めており、投資家としては無視できない存在です。
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