ボベスパ指数(ブラジル)とは?
ボベスパ指数とは、ブラジル・サンパウロ市場の平均株価を表す指数です。通貨単位はブラジル・レアル。
ボベスパ指数の特徴は、ペトロブラスとヴァーレ(旧リオドセ)の2銘柄で時価総額の4割近くを占めていることで、ここまで寡占状態のインデックス指数は世界的にも珍しいです。ちなみにペトロブラスは半国営の石油企業で、ヴァーレは鉄鉱石の生産高世界一の資源採掘企業です。
ボベスパ指数の主な構成銘柄 |
企業名 |
セクター |
ウエイト |
PETROLEO BRAS(ペトロブラス) |
エネルギー |
22.9% |
VALE DO RIO DOCE(ヴァーレ) |
素材 |
15.2% |
ITAU UNIBANCO BANCO MULTIPLO |
金融 |
8.2% |
BANCO BRADESCO(ブラテスコ銀行) |
金融 |
5.2% |
BEBIDAS |
生活必需品 |
2.9% |
SIDERURGICA(ナショナル製鉄) |
素材 |
2.8% |
Brasil Foods(ブラジルフーズ)※注 |
生活必需品 |
1.5% |
TELE NORTE LESTE(テレ・ノルテ・レステ) |
通信 |
1.2% |
EMPRESA BRAS(エンブラエル) |
航空機 |
0.75% |
※ウエイトはMSCIブラジルインデックスの09年10月末時点 |
ブラジル株は、2008年に東証に「NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信【証券コード1325】」というETFが上場され、身近に投資できる存在になりつつあります。
しかし上記ブラジルETFは、現物株の裏付けを持たないため(正確にはETNになる)、保証会社が破綻すれば紙くずになるリスクを抱えています。また、実際のボベスパ指数と価格の乖離が大きくなりがちな点もマイナスです。
特に2009年10月2日にリオデジャネイロでの2016年オリンピック開催が決まると、乖離が加速しました。乖離がピークだった10月中旬には、ボベスパ指数が月初から約10%の上昇だったのに対し、東証の1325ETFは30%を超える上昇を見せました。ETFが元の指数と1%前後の乖離が起こるのは珍しくありませんが、ここまで価格プレミアムが乗ってしまうと、投資するに値しません。
売買コストが高くとも、米国上場のMSCIブラジルインデックス【EWZ】を買った方が賢明でしょう。特に投資する金額が大きいなら、破綻やプレミアムの付くリスクを冒してまで、東証上場ETFを買う価値はありませんから。
※注 ブラジルフードは、楽天証券がADRで扱っていたサディア社(SADIA)が別会社と合併して2009年に誕生した。
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