MSCIエマージング指数(構成国・企業と割合)
MSCIエマージング指数とは、株価指標のベンチマーク(世界基準)であるMSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)が、新興国の平均株価として定めている指数です。時価総額の合計は約8兆ドルにのぼり、日本全体(約4兆ドル)の2倍という規模に成長しています。
構成国は中国やインドなどBRICs諸国を中心に、2011年現在は20カ国(香港を含めると21)が属しています。かつてはアルゼンチンも入っていましたが、2009年にはエマージングより更に下の「フロンティアマーケット」へ格下げされました。全構成国の一覧は右表にあります。
構成銘柄の上位は以下の通りです。ペトロブラスやサムスンやチャイナモバイルなど、日本の投資家にもお馴染みの企業が名を連ねています。
MSCIエマージング指数の構成上位10銘柄 |
企業名 |
セクター |
ウエイト |
ペトロブラス(ブラジル) |
エネルギー |
3.1% |
ヴァーレ(ブラジル) |
素材 |
2.5% |
サムスン電子(韓国) |
一般消費財 |
2.1% |
ガスプロム(ロシア) |
エネルギー |
1.9% |
チャイナモバイル(中国) |
通信 |
1.5% |
アメリカモビル(メキシコ) |
通信 |
1.3% |
中国工商銀行 |
金融 |
1.2% |
HDFC銀行(インド) |
金融 |
1.0% |
イタウ・ウニ・バンコ(ブラジル) |
金融 |
1.0% |
中国海洋石油 |
エネルギー |
1.0% |
※データは2011年7月末時点、EEMの内訳 |
国別の割合(右グラフ)では、中国やブラジルが高いウエイトを占める一方で、インドが非常に少ない事が分かります。インドの株式市場は、時価総額ベースではブラジルよりも大きいのですが、浮動株の割合が少ない為です。
業種別割合では、金融やエネルギー企業が多く、生活必需品やヘルスケアセクターが少ないことが特徴的です。エネルギー分野は新興国企業の成長を支えるセクターであり、半国営の企業が非常に多いです。また金融については、外資規制を敷いている国が少なくありません。
一方で生活必需品やヘルスケアなどは、新興国の地元企業よりも先進国企業のブランド力が勝っているケースが多く、割合はとても少ないです。
MSCIエマージング指数をベンチマークとするETFでは、iSharesの同名のETF【EEM】が有名でした。しかし、バンガード販売のより低コストなETF【VWO】が人気を集め、2011年には両者の時価総額(純資産)が逆転しています。
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