タイの株価は、1990年代前半にバブルのピークを迎えます。80年代後半より、経済成長率が平均9%という発展を遂げ、日本やアメリカなどからの海外投資も増えたことが、SET指数を押し上げました。但し、当時はタイの通貨=バーツが米ドルとの固定相場制(ドルペッグ)を行っていたことが仇となり、欧米のヘッジファンドから大量のバーツ売り(空売り)を仕掛けられる羽目に陥ります。これがアジア通貨危機と呼ばれる事件の発端で、結局タイの中央銀行は、ドルペッグを維持が不可能になり、変動相場制に移行したことで、数ヶ月でバーツは約半値にまで暴落し、タイの高度経済成長とSET指数バブルは崩壊しました。
その後、タクシン政権下で規制緩和や民営化などの経済改革が行われ、2000年代にタイ経済は息を吹き返しましたが、軍部のクーデターや民衆の大規模デモなどで社会が混乱に陥っている現状は、ご存知の通りです。
SET指数の構成銘柄上位 |
企業名 |
セクター |
ウエイト |
PTT |
エネルギー |
9.1% |
PTT EXPLORATION & PRODUCTION |
エネルギー |
6.5% |
サイアム商業銀行 |
金融 |
6.0% |
アドバンスド・インフォ・サービス |
通信 |
6.0% |
サイアムセメント |
素材 |
5.3% |
※ウエイトは東証のタイ株SET50ETF 2014年月7末時点 |
SET指数のウエイト上位には、PTTやサイアムなど、財閥系企業が占めており、新興国にありがちな割合です。特に巨大エネルギー企業PTTは、石油や天然ガスの採掘から、ガソリンスタンド運営まで、川上から川下まで一貫して行い、売上高が5兆円規模もあるタイ最大の企業です。
また平均の配当利回りが約3%と高いのもタイ株の特長です。国毎の配当利回りの平均は、米国は2%前後、日本は1%台しかありません。
タイ株に投資する方法としては、個別株はPTTのような主要銘柄は楽天証券 やSBI証券 で購入可能です。またタイ株に分散投資する場合には、東証上場の「タイ株SET50 ETF(証券コード1559)」なら、日本のどの証券会社でも購入できるので便利です。
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