ボルサ(IPC)指数とは?
IPC指数(ボルサ指数)とは、メキシコの平均株価指数で、メキシコ証券取引所に上場する主要企業の時価総額加重平均で算出されています。通貨単位はメキシコペソ。
メキシコ証券取引所には約150銘柄が上場しており、アメリカモビルやセメックスなどの主要企業がアメリカにADRとして重複上場しています。
IPC指数の構成銘柄上位10 |
企業名 |
セクター |
ウエイト |
AMERICA MOVIL(アメリカモビル) |
通信 |
23.1% |
WALMART DE MEXICO(ウォルマート) |
小売 |
7.7% |
CEMEX(セメックス) |
素材 |
6.1% |
FOMENTO ECONOMICO |
生活必需品 |
5.8% |
GRUPO TELEVISA(テレビサ) |
放送など |
5.2% |
GRUPO MEXICO(グループメヒコ) |
素材 |
5.0% |
TELEFONOS DE MEXICO |
通信 |
4.3% |
TELMEX INTERNACIONAL |
通信 |
3.7% |
GRUPO FINANCIERO BANORTE |
金融 |
3.4% |
CARSO GLOBAL TELECOM |
通信 |
3.1% |
※データはMSCIメキシコインデックス 09年10月末時点 |
構成銘柄のウエイトを見ると、中南米最大の携帯電話会社であるアメリカ・モビルが指数の1/4を占めるなど、通信業者が多数占めています。一方で、他の国に比べて金融機関の比率が極端に低く、全体でも6.6%に過ぎません。ブラジルでは19.5%、インドでは23.4%、中国・香港に至っては約40%が金融株で占められているのと比べると、異質にすら感じます。
メキシコでは貧富の差が激しく、ジニ係数(≒貧困率)が中国やインドよりも大きいという経済構造です。大多数の人々が保険やローンなどとは無縁の生活をしている一方で、世界第3位の大富豪カルロス・スリム・ヘル(アメリカモビル等の大株主)を輩出するなど、究極の格差社会となっています。
GDPでは世界第10位のメキシコですが、これは一部の大富豪と、人口が1億人を超える分母の大きさによるもので、決して経済は順調とは言えません。近年のGDP成長率は3〜5%程度と、BRICsなど新興国の中では低調です。またアメリカの影響を大きく受けやすく、サブプライム危機で大幅なリセッションを余儀なくされています。
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