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ナショナル製鉄の売上高とインフラ事業

ナショナル製鉄(Companhia Siderurgica Nacional:CSN)は、ブラジルのリオデジャネイロに本社を置く鉄鋼メーカーです。サンパウロ証券取引所、及びニューヨーク証券取引所(NYSE)にもADRで上場しています。

ナショナル製鉄は1941年に州立の公営企業として設立され、その後1993〜94年に民営化されました(1990年に当時のコロル政権が策定した「国家民営化プログラム」の一環)。現在は繊維大手のビクーニャ(Vicunha)グループが筆頭株主となっています。 2012年の売上高は約169億レアル(約8000億円)と、後述する新日鉄(製鉄で世界二位)の5分の1程度の規模です。

 
ナショナル製鉄のP/L(損益計算書)
 

ナショナル製鉄の事業は、リオ・デ・ジャネイロにあるバルガス製鉄所を主力に、熱延鋼板と冷延鋼板のほか、亜鉛メッキ鋼板やブリキ製品などの鉄鋼製品を生産しています。また、製鉄過程で発生する生成物を利用してセメントの生産販売も行っています。自動車、建設土木、家電関連等の企業に対して様々に加工した鉄鋼製品を供給しています。

ナショナル製鉄の強みは、徹底した垂直統合型のビジネス・モデルを構築している点です。まず、鉄鋼生産に欠かせない鉄鉱石鉱山を自社で保有しています。そのため原材料を社内調達する事が可能です(鉄鉱石鉱山のみならず石灰岩やスズの鉱山も保有)。自社で使用して余った鉱石を国外輸出も行うなど、常に潤沢な事業材料を確保しています。

さらにナショナル製鉄は火力発電所、水力発電所も保有しており、必要電力をすべて自家発電で賄う事ができます。あわせて鉄道や港湾といった、鉱山から製鉄所を繋ぐための物流インフラについても多くの権益を保持しています。今やナショナル製鉄は、ブラジルを代表とする物流インフラ企業のひとつです。結果として、売上高では世界で10位に入らない事業規模でも、非常に低コスト・高採算な経営が可能となっています。

ウジミナス社を巡る新日鉄との買収合戦

なお、ナショナル製鉄はブラジル鉄鋼大手=ウジミナス社を巡って、新日鉄住金(旧新日本製鉄)と買収争奪戦を繰り広げています。2011年、ナショナル製鉄がウジミナス株を市場で買い集め、経営権の奪取を図りました。それに対して新日鉄側も応戦する形となり、最終的に新日鉄がアルゼンチンの鉄鋼大手テルニウムと共同でウジミナスへの追加出資を行い、筆頭株主の座を維持しました(過去にもナショナル製鉄と新日鉄は、共同運営していた鉱山経営を巡って喧嘩別れをした経緯があります)。終息するかに見えた買収合戦でしたが、2013年2月にナショナル製鉄は、テルニウムに対してウジミナス株取得方法を違法として提訴し、現在も争いが続いています。

2012年度のIR情報(アニュアルレポート等)では、今後数ヶ月の間でVolta Redonda(ボルタ・レドンダ)での新しい製鉄所の操業が開始されるなど、引き続き生産能力の増強を図り続けるとのことです。またブラジル国内において、サッカーワールドカップやオリンピックといった国際イベントを控え、建設需要の高まりを受けて、セメント事業等の売上高でも大幅な増益を見込んでいます。

 




ナショナル製鉄会社概要

現在の株価

ナショナル製鉄の売上比率
ナショナル製鉄の事業別売上高比率
ナショナル製鉄の地域別売上高比率

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