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政府の財政破綻で債券価格はどれだけ暴落する?

皆さんご承知のように、日本政府の財政は火の車状態で、このままでは近い将来「財政破綻」を起こすと言う声も多いです。当サイトで、個人向け国債や日本債券ファンドへの投資は止めろと言っている理由は、財政危機が起きて日本国債が暴落すると予測しているからです。

では実際に、財政危機が起きれば、長期金利はどの程度上昇し、日本債券ファンドはどの程度暴落するのでしょうか?他国の例からシミュレーションしてみました。

■財政破綻(デフォルト)まで行く可能性は低い

完全なる政府破綻、つまり債務不履行(デフォルト)となると、長期金利(≒インフレ率)は数百パーセントを超えます。終戦後1945年の日本は500%超、80年代のブラジルやアルゼンチンでは1000%を超えるインフレ率を記録しました。完全に財政破綻すると、その国の貨幣価値が紙くず同然となるので、計算しても無意味です。

しかし幸い、現在の日本は債務の95%が円建てなので、破綻する前に国債の日銀引受でチャラにできますので、デフォルトリスクは極めて低いです。しかし破綻まで行かなくとも、長年拒否し続けている日銀引受を突然行えば、ギリシャやアイスランドのような「財政危機だ!」と市場は判断するでしょう(※注1)。

■財政危機では長期金利はどこまで上昇する?

では財政危機と判断されれば、長期金利(10年物国債の利回り)がどうなるのかを予想します。2008年の金融危機後に、アイスランドやギリシャが財政危機に陥りました。両国の長期金利はその後、12%を超える水準にまで上昇しましたが、その近辺で上げ止まりました。これが一つの参考になるはずです。

ギリシャの場合、政府が不正会計をして借金を過少申告しているという問題がありましたので、これは通常の財政危機よりも、金利にはマイナスインパクトが大きいはずです。一方でギリシャはユーロ加盟国なので、ユーロ圏の国々から投資すれば、為替リスクを負わずに高い金利を得られるので、この点は金利にはプラスインパクトです。どちらの影響が大きいかは判断が難しいですので、相殺してプラマイゼロと仮定します。

ということで、日本政府が財政危機に陥った場合、長期金利は12%まで跳ね上がることを、今回の計算の定義に使用します。、

■現在の日本債券インデックスファンドの中身は?

現物国債へ直接投資している個人投資家は少ないので、主流である日本債券インデックスファンドについて考えます。低コストで人気の三菱UFJ・Emaxisシリーズでは、運用報告書によると修正デュレーションは6.82年とあります。同様に、住信STAMや中央三井CMAMも、修正デュレーションは6.7年・6.95年とあります。つまり、現在の日本債券ファンドの修正デュレーションは平均6.8年程度となります。

財政危機での債券価格シミュレーション

では実際に、財政危機による金利上昇で、債券価格及び日本債券ファンドの基準価格が、どれだけ下落するかをシミュレーションしてみます。

修正デュレーションは、金利が変動した際にどれだけ債券価格が変動するかを示した数値です。この数値が大きいほど、価格変動リスクが大きいことになります。修正デュレーションが6.8年ということは、金利が1%上がれば6.8%、2%上がれば13.6%、債券価格が下がることを意味します。

現在の日本の長期金利は1〜1.5%ほどで推移しています。ギリシャ並みに金利が跳ね上がるとすれば、金利上昇幅は10%超となります。

つまり、平均的な日本債券インデックスファンドでは、【10%×6.8=68%】の価格下落が起こることになります。現在の基準価格が1万円だとすれば、3200円程度まで暴落する計算です。つまり、日本債券ファンドを購入してしまうと、日本が財政危機に陥れば−70%近い莫大な損失を出す計算になるのです。

安全な資産運用の定説である「日本債券ファンドへの投資」が、実はサブプライムショックを超えるような、莫大な損失を出すリスクがあるのです。当サイトで「日本の国債は買うな!」と主張している意味をお分かり頂けたでしょうか?

※注1;だからこそ時間を掛けて少しずつ、日銀が国債を買い取っていく必要がある。これは世界の常識で、アメリカもヨーロッパも、中央銀行の国債引受で借金負担を軽減している。




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