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新窓販国債と個人向け国債の違い

個人投資家が、日本の国債に投資する商品は、3つあります。最も有名なのが個人向け国債、運用お任せの投資信託(日本債券ファンド)、そして余り知られていませんが新窓販国債というものもあります。新窓販は、証券会社によっては「利付国債」と表記される場合もあります。

個人向け国債は、投資するに値しない欠陥商品であることは、当サイトで既に述べた通りです。では、新窓販国債はお得な商品なのでしょうか? ここでは、個人向け国債と新窓販国債との違いを比較してみます。

種類 個人向け国債 新窓販国債
満期 3年・5年・10年 2年・5年・10年
買付単位 1万円単位 5万円単位
金利 10年債は変動、それ以外は固定金利
共に通常国債より金利が低い
全て固定金利
通常国債とほぼ同じ水準
利払い 年二回 年二回
元本割れの有無 なし あり
途中解約 元本割れは無いが、1年間は解約不能
また解約コストが掛かる
解約ではなく市場で売却する
時価によっては利益や損失が生じる

両者を比較すると、最大の違いは個人向け国債が元本保証なのに対して、新窓販は価格が変動することです。満期まで持てば、共に元本保証なのですが、途中売却するとその限りではありません。

個人向け国債は、例えば変動10年債を5万円で購入し、3年後に途中解約したとすると、元本である5万円はそのまま戻ってきます(但し直近2回分の利息が手数料で引かれる)。一方、新窓販国債10年債5万円買い、3年後に売却すると、5万円が戻ってくるとは限りません。新窓販は、通常の国債と同様に、市場価格で売却することになります。市場では、国債も株式と同じように売買されており、需給によって価格が変動しています。ですから、新窓販国債を途中解約する場合、利益が出る場合もあれば、元本割れするリスクもあるのです。

しかし、国債価格というのは、金利情勢から予測することが可能です。景気が過熱して金利が上昇している時期には、国債価格は下落します。一方、景気が減速期にある場合はその逆で、金利は下落すると共に、国債価格は上昇します。即ち、金利と債券価格は逆相関します。

2013年現在の日本は、ご承知のようにゼロ金利政策が取られており、長期金利は史上最低を更新しました(※注1)。つまり、金利が下がる余地は、もうほとんどありません(金利がマイナスになることはあり得ないので)。しかも、アベノミクスによる日銀の2%インフレターゲット政策が実行されていくので、金利が上昇していく確率が極めて高いです。

現在のような低金利時代には、将来元本割れする確率が高い

よって、現在から新窓販国債を購入すると、今後の金利上昇局面で「元本割れ」する確率が非常に高いのです。

一方、個人向け国債なら元本割れはしませんが、金利が新窓販国債に比べて非常に低く押さえられています(⇒個人向け国債は買ってはいけない!)。また、元本割れしないといっても、保証されるのはあくまで額面価格であり、実質価格は元本割れします。インフレターゲットにより、目論見通り毎年2%ずつインフレが起きれば、3年後に5万円の実質価値は47060円しかありません。つまり、個人向け国債も実質価格でみれば、インフレが起きれば元本割れするのです。

新窓販も個人向けもダメなら、一体何を買うのが正解なのか?と戸惑われる方も居るでしょう。その答えは「買うべき国債商品は無い!」となります。前述したように、金利と債券価格は逆行します。よって、これ以上金利が下がりようがない状況下では、国債は買うべきものではないのです。

低金利の時期には株式を買うべきで、債券は高金利(景気が過熱している時期)に買うものです。日本の長期金利が、先進国の正常な範囲(4〜5%程度)に上昇するまでは、国債に関するあらゆる金融商品は、買うべきではありません。

 

※注1;2013年4月5日、日銀黒田新総裁の金融緩和策の発表を受けて国債に買いが集まり、長期金利は0.315%の市場最低値を記録しました。 それまでの最低記録は、2003年6月11日に付けた0.430%でした。

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