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国債が利息でなく長期金利で表記される理由

国債は実際の利息ではなく「長期金利」という指標で表されます。長期金利とは、その国の10年物国債の平均利回りのことです。

国債は毎年数回発行され、その都度利息も変わりますし、また既に発行済みの「既発債」の売買マーケットも存在します。各債券毎に利率や残存年数は異なりますし、債券市場に人気が集まっているか否かによって、既発債の価格も変動します。しかし債券市場では、機関投資家が常に割の良い債券を求めて売買を行っている為、結局はどれを買っても同じ利回りとなるよう、各債券の価格が落ち着きます。その利回りが長期金利という訳です。

その原理を説明すると、例えば【1万円・年利1%】の既発債Aがあったとします。そこへ新たに【1万円・年利3%】新発国債Bが発行されたとします。すると、当然ながら投資家は3%の新発債を買おうとし、1%の既発債は売れなくなります。

そこで既発債の市場価格は「値段が下がる」ことになります。既発債の価格がおよそ「9805.8円」まで下がれば、新発債と同様の利回りとなります。既発債を9805.8円で買った人は、翌年には100円の利息を受けられると同時に、元本1万円が償還されます。つまり、1万円の国債を9805.8円で買った差額の194.2円と、利息の100円を合わせて、294.2円の利益が得られます。これは、投資元本である9805.8円で割れば、利回りは3.0003%となり、新発国債Bへ1万円を投資した場合と、利益率がほぼ同じになります。つまり、利息が低い債券でも、ある一定の価格まで値段が下がれば、高い利息の債券と利回りが同じになるのです。

長期金利の仕組み解説図

実際のマーケットでは、既発債Aの価格が下がるだけでなく、人気の集まる新発債Bの価格は上がります。この両者の値動きが、それぞれの「利回り」が等しくなる点で価格が落ち着きます。上記の場合だと、両者の利回りの中間である2%前後で価格が均衡します。

そして実際の債券市場では、利息が異なるだけでなく、様々な残存年数の国債がありますが、どの債券を買っても同じ利回りになる点で、各債券の価格が決まります。投資のプロである機関投資家は、複雑な債券価格の計算を行って売買しているので、常に裁定取引が行われ、有利な利回りの債券というものは基本的に生まれません。

ですから、投資家は「長期金利」という指標さえ見ればOKなのです。利息の高い債券は価格が上がり(利回りが下がる)、利息の低い債券は価格が下がる(利回りが上がる)、その均衡点が長期金利の数字となります。既発債だろうと新発債だろうと、10年物の国債に投資すれば、結局は長期金利で示されている利回りになるの訳で、債券の表面上の利息が何パーセントだろうが関係ありません。だから、アメリカだろうがギリシャだろうが、新規発行の国債の利息は報道されず、長期金利の数値だけが言われるのです。





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