スイスの長期金利(10年物の国債利回り)推移グラフ
安全通貨の代表格といえば、スイスフランです。世界的に金融不安が起きると、スイスの国債が買われて価格が上昇(利回りが下落)します。そんなスイスの長期金利(10年物国債の利回り)の推移グラフです。
元来からスイス国債は安全資産である為、長期金利は低位安定していました。そして2011年8月には、史上初めて10年債の利回りが1%を割り込みました。長期金利が1%を割り込んだ国は、日本に次いで世界で2カ国目です(※注1)。しかも、その直前である8/3にスイス政府は、政策金利を従来の「0〜0.75%」から「0〜0.25%」へと引き下げてる(※注2)など、国内への資金流入を抑制する「フラン高対策」を講じています。
しかし間合い悪く、8月中旬には世界的な株安が起こり、資金逃避先としてスイスフランが買われる事態となりました。投機で円高が起きている日本と違い、スイスは本当の安全資産として買われています。現に金融危機以降、ドルやユーロに対しては円高が進んでいるものの、スイスフランに対しては円安が進んでいます。仮にスイス政府が大幅な金融緩和策を発表しても、フラン高を抑制できるかは微妙な情勢です。
※追記;2012年夏以降、スイスの長期金利は一時的に0.4%台を記録しています。長期金利の世界最低記録は、日本国債が2003年6月12日に付けた0.435%です。ギリシャがデフォルトを起こして、世界的な金融危機が起きれば、スイス国債が長期金利の最低記録を達成する可能性は高いでしょう。 ※注1:日本の長期金利は1998年、2003年、2010年と3回、1%割れを経験しています。史上最低は2003年に記録した0.43%。
※注2;政策金利がゼロ金利突入というのも、日本・アメリカに次いで史上3カ国目という異例の事態。
★関連ページ;SMI指数(スイス平均株価)
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