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米ドル=円の為替レート時系列データ(1990年代)

今回は1990年代のドル円レート時系列一覧です(2000年以降の時系列データは別ページ)。

2008年の金融危機以降、急激な円高が世間を騒がせていましたが、1990年代の為替相場はそれをはるかに凌ぐ激動の時代でした。

90年代前半の日本は、バブル経済の崩壊による長い不況が続いた時代でしたが、それに反してドル円相場は大幅に円高に振れ続けました。90年1月に1ドル=140円台だったのが、一貫して円高が続いて94年には1ドル=100円割れを起こします。そして1995年4月19日、ドル円相場は史上最高値79円75銭と、瞬間的ではありましたが80円割れという異常事態を起こしました。

 

 

1ドル=79円の超円高の原因はクリントン!

この行きすぎた円高の原因は、クリントン政権による日本叩きと、中国優遇政策のせいです。アメリカは日本との貿易赤字の縮小を大儀にドル安政策を進めました。一方で、改革開放政策で経済の資本主義化が進む中国を異常なまでに優遇し、1994年初頭には1ドル=5.72元で固定されていた対人民元為替レートを、1ドル=8.72元へと大幅な人民元の切り下げを容認しました。この常軌を逸した元安政策で、中国の輸出競争力が一気に高まった一方で、日本は超円高で競争力が激減しました。今日に繋がる日本の長い不況は、バブル崩壊後の金融政策の甘さ(不良債権処理の遅れ)が最大の原因ですが、もう一つ、クリントンが行ったこの中国優遇・日本冷遇政策が原因でもあるのです。

ところが96年からは、円高の時計が逆回転を始めます。景気対策の為に90年に6%あった公定歩合を95年には0.5%にまで下げたので、この頃から円キャリートレードが生まれ始めたのです。またアメリカでITバブルが本格化しはじめたことで米国への投資(=ドル買い)が増えたことや、80年代後半より高水準だったアメリカの物価上昇率(CPI)が若干落ち着きを取り戻したことなども、ドル高・円安が進んだ要因だと考えられます。

しかし、この円安も長くは続きませんでした。97年からのアジア通貨危機と、98年のLTCMの破綻※注)により、円キャリートレードの解消が起こり、98年8月に140円台たったドル円レートは、わずか2ヶ月で一気に110円台にまで円高が進みます。

1ドル=80円割れからわずか3年で1ドル=150円近くになるなど、90年代は激動の為替変動に見舞われましたが、その原因は一部の政治家(クリントン)の利害関係や、一部の金の亡者達(LTCM)のエゴに振り回された結果でした。

 

※注 LTCM(ロングタームキャピタルマネージメント)とは、アメリカにあった世界最大のヘッジファンド。ノーベル経済学賞受賞者や元FRB副議長など蒼々たるメンバーが集まり、莫大な利益を上げていた。主に債券などで、わずかな価格の乖離に莫大なレバレッジを掛けて裁定取引を仕掛ける「マーケットニュートラル」と呼ばれる手法で稼いだが、アジア通貨危機やロシアのデフォルト(債務不履行)などの煽りを受けて破綻した。当時、自己資本に対して20倍以上のレバレッジをかけて1200億ドルを運用していただけでなく、その10倍相当のデリバティブ契約があったと言われている。

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