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欧州各国のユーロへの固定為替レート

ヨーロッパでは1999年に統一通貨・ユーロが発足しました(実際の流通は2002年1月より)。右の表は、参加国の対ユーロ固定レート一覧表です。例えばフランス・フランは1ユーロ=6.55957フラン、スペイン・ペセタは1ユーロ=166.386ペセタ・・・というように、レートを固定すべく各国が金利調整や為替介入などを行いました。

現在では、基軸通貨としてアメリカドルに対抗できるほどの存在感を持っていますが、統一通貨の誕生には様々な問題がありました。

特に、同一の通貨ゆえに政策金利を一本化しなければならないことが大きな問題でした。その理由は、同じ通貨なのに国毎に金利が異なれば・・・例えばフランスの金利は3%でドイツが4%なら、誰もフランスで銀行預金しなくなるからです。

しかし国毎に経済情勢は異なるのに、他国と金利を統一させられれば、柔軟な経済対策は取れなくなるというデメリットが出てきます。そのため、独自の金融政策を保ちたいという理由でユーロ導入を拒んでいる国(スイスなど)もあります。また、金融政策の自由度が無い事が、2011年のギリシャ危機の要因でもありました。

 

イギリスがユーロに参加しなかった理由

ところでヨーロッパで1・2を争う経済大国であるイギリスは、現在もユーロを導入せず自国通貨「ポンド」を使い続けています。しかしある時期までイギリスも、ユーロに参加する意思があったのです。その証拠に1990年には、ユーロ導入の準備段階として欧州圏の為替レートを一定枠に納める「ERM」という制度に加入しています。

しかし、ここで英ポンドは為替を保てなくなる事態に側面しました。1992年9月、ジョージ・ソロス率いるヘッジファンド「クォンタムファンド」にポンド売りの投機を仕掛けられます。当時、ドイツ・マルクと1ポンド=2.95マルクの固定レートを保つことが取り決めでしたが、これはイングランド中央銀行によるマルク売り・ポンド買いによる為替介入で成り立っていました。ソロスはこのポンドの固定レートは過大評価であり、やがてポンドの切り下げが起こることは必至だとみて、推計100億ドルものポンド売りを仕掛けました。

イングランド中央銀行はこのポンド売りに対抗しきれず、ERMからの脱退とポンドの切り下げを行いました。これによりジョージ・ソロス達は約10億ドルの為替差益を上げましたが、逆にイギリスはERMからの脱退により、統一通貨ユーロへの参加は不可能になりました。

イギリスのユーロ不参加は、独自の金融政策を取りたいから、ユーロ圏よりもアメリカとの結びつきが強いから、など様々な理由が語られています。しかし元々はユーロへの参加する意思はあったが、1つのヘッジファンドに国の中央銀行が資金力で競り負けたことが原因だとは、プライドの高いイギリス人は認めたがらないのでしょう。

 

関連ページ;世界のヘッジファンドの資産残高推移。ジョージ・ソロスやLTCMの話など。

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