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主な仮想通貨の特長やデメリットの比較

オンラインで決済認証を行う仮想通貨(電子通貨)を作る事には、実は特に制限はなく誰でも作れます。当稿執筆時(2017年7月下旬)、時価総額が1億円以上の仮想通貨は全世界で330種類、10億円以上でも168種類も存在しています。

「仮想通貨なんてビットコイン以外は烏合の衆でしょ?」と思われがちですが、実は後発の通貨ほど、技術的な問題が少なかったり、ビットコインには無いメリットを備えていたりします。そこで、主要な仮想通貨の特長やデメリットを比較してみました。投資の際に、将来性を判断する第一歩になれば幸いです。

2017年7月下旬時点のもの。最新の時価総額は coinmarketcap.com 等をご覧下さい。

主な仮想通貨の特長やデメリット比較表
通貨の名称 アイコンと
シンボル
時価総額
と順位
特長と将来性 デメリット
ビットコイン
(Bitcoin)

BTC
4兆7千億円
(1位)
世界で最も有名な仮想通貨。
運営は特定の団体が統治する「中央集権」ではなく多数のコアメンバーの合議による「分散統治」がなされる。
ブロックチェーンにより取引が透明なので、実はマネーロンダリングなど悪用されにくく、政治サイドからも信頼されやすい。日本では2016年5月の資金決済法で定義された。
DELLやビックカメラなどビットコイン決済に対応する企業も増えているなど、知名度の高さや利用可能サービスの多さは群を抜く。
仮想通貨として最古なので、技術的な問題が最も多い。最近は決済認証に数時間以上かかるケースも出ている。
統治の方向性で意見が分かれ、2017年8月に分裂の危機が噂されている。
イーサリアム
Ethereum

ETH
2兆1千億円
(2位)
イーサリアムは仮想通貨の二番手。ビットコイン同様、複数人による分散統治型通貨。
ビットコインよりも後発なので、技術的問題が少ない。
スマートコントラクト(取引を「契約内容」まで内包して行える)という技術により、金融取引や資産管理との相性が良い。しかも決済認証はビットコインより高速。
2016年6月にハッキング詐欺があった。そのためブロックチェーンのルールを破り、関連取引のデータを抹消(ハードフォーク)した。
それが原因で「イーサリアム・クラシック」と二つに分裂した。
リップル
Ripple

XRP
7千5百億円
(3位)
リップルはブリッジ通貨と呼ばれ、異なる通貨同士の交換を円滑に行えるシステム。
技術的にビットコインやイーサリアムよりも優れている(決済認証の速さはビットコインの数百倍以上)。
グーグルや日本のSBIグループも出資している。 三菱東京UFJ銀行とも提携。
多くの仮想通貨が分散統治型なのに対し、リップル社による中央集権型の運営。
未発行分の通貨は、マイニング=採掘されるのではなく、リップル社が全て握っている
(但し9割近くは預託なのでリップル社の自由になる訳でもない)。
ダッシュ
DASH

DASH
1600億円
(5位)
ダークコインという名称から2015年に「DASH」へと変更
コインミキシングという技術により、ビットコインより匿名性が高い。
InstantXという技術により、ビットコインより決済認証が速い。
匿名性が高いので、逆にマネーロンダリング等悪用される可能性もある。
よって政府や中央銀行から敵対視されやすい。
イーサリアムクラシック
Ethereum Classic

ETC
1500億円
(7位)
イーサリアムから分離独立した通貨。
2016年のハッキング事件で、ハードフォーク(データ書き直し)に反対する運営者グループが独立して作った。
通貨の仕組みはイーサリアムとほぼ同じ。
「何があってもデータの修正は認めない」というブロックチェーン原理主義を貫く通貨。
その思想が運営に正しいかどうかは意見が分かれる。
ジーキャッシュ
Zcash

ZEC
380億円
(16位)
2016年10月にローンチされた新しい仮想通貨。 ゼロ知識証明という、決済機能を第三者に対して完全に匿名性を保ったまま行い、かつ決済の正当性を担保する技術が採用されている。金融大手=JPモルガンと提携。 DASH同様、匿名性が仇となり、マネーロンダリング等に悪用される可能性がある。
よって政府や中央銀行から敵対視されやすい。
オーガー
Augur

REP
220億円
(29位)
オンラインギャンブルの通貨として開発された。全取引が透明化されるので、胴元の不正を技術的に防げる。
保険や各種デリバティブ商品を低コストで開発できる?とか、胴元となってブックメーカーのような賭場を開ける?など夢が多い通貨。
技術的にデリバティブ商品を開発したり、ブックメーカーを開設したりが可能でも、各国の法律の成約があるため、現実的に実行は難しい。
モナーコイン
monacoin

MONA
28億円
(85位)
日本の「2ちゃんねる」発の仮想通貨。
HN・わたなべ氏が「ゲーム内の通貨」「換金性はない」という想定で開発した。
現在では、投機対象として売買されている。
2ちゃんねる発祥という事で、信頼性が低い(胡散臭いと感じる人が多い)。
ほぼ日本限定のローカルな存在なうえ、現状では利用できる店舗・サービスがほとんど無い。

 

ビットコインだけでなく、どの仮想通貨もデメリットを抱えている

言うまでもなくビットコインの知名度は圧倒的で、他の全仮想通貨の時価総額を合計しても及ばないほどです。実社会で使える店舗・サービスも増えており、将来性を考えるには明らかに他とは比較にならないほど抜きん出た存在です。

しかしビットコインは最古参な通貨ゆえ、運営システム的な問題が最も多いというデメリットも抱えています。取引量が増えるに連れ、決済認証に数時間も掛かるケースすら出てきており、実用に耐えうるレベルを超えています。仕組みを抜本的に変更するハードフォークが必要ですが、当初に決められたルールを変更するには、分散統治型であるが故の意見の相違が問題になり続けます。

このハードフォーク問題で運営が分裂したのが、時価総額ナンバー2のイーサリアムです。ハッキング詐欺の取引を抹消する事で、通貨の信頼性を保ったのですが、逆に言うと「全取引が不可逆性である」というブロックチェーンのルールを破った事は、むしろ信用を失ったという見方も出来ます。

他にも、例えばブリッジ通貨であるリップルは、技術的にもビットコインより遙かに優れているうえ、グーグルの子会社が出資している。 三菱東京UFJ銀行が決済システムに取り入れる、など将来性に期待を持てる話題が多いです。しかしリップル社が中央集権的に独占して運営する通貨故に、特定の企業・人物だけが富を得る仕組みになるので、仮想通貨の持つ無国籍・フリーダム性とはかけ離れているデメリットも抱えています。

ダッシュのコインミキシングやジーキャッシュのゼロ知識証明は、ビットコインなどと比較して取引の透明性が高いのですが、見方を変えれば「不正を隠蔽しやすい」事にも繋がります。マネーロンダリングのように悪用されるリスクも高くなるので、各国政府から疎まれる可能性があります。ビットコインなどが「アンダーグラウンドな存在ではない」という方向で、税務など情報公開性を高めようとしているスタンスとは相反します。

同様に、オーガーはオンラインギャンブルやオプション取引に応用できる技術として期待されます。橘玲氏が『金融2.0』と称した「誰もがオプション取引を作り、低コストでリスクヘッジできる未来社会」の実現には、オーガーのような仮想通貨で技術的に可能になるかもしれませんが、法律の壁が立ちはだかります。

法律を決めるのは政府なので、仮想通貨が「地下経済」だと認識されれば、規制されて発展を阻害する羽目に陥ります。ダッシュやジーキャッシュの透明性や、オーガーのような汎用性は、かえって政府の法規制を強める恐れもあるのです。仮想通貨の将来性は、単純に技術的に優れている方が有効だとも限らない事が、比較の難しい点です。さすがにモナーコインが仮想通貨の覇者になる可能性だけは皆無でしょうが・・・。

   

 

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