SBI証券の個人型確定拠出年金(DC)
SBI証券(旧イートレード証券)の個人型確定拠出年金(401k・DC)は、非常に多彩なラインナップを揃えています。中でも最も注目すべきは、新興国向けのファンドの充実と、個人型401kとしては日本で唯一「商品ファンド」を揃えている点です。
SBI証券の個人型401Kプランの主なラインナップ一覧 |
分類 |
名称 |
信託報酬 |
信託財産留保額 |
外国株 |
中央三井DC外国株式インデックス |
0.84% |
0.2% |
外国債券 |
野村外国債券インデックスファンド |
0.578% |
0.1% |
日本株 |
MHAM TOPIXオープン |
0.683% |
なし |
日本債券 |
野村日本債券ファンド |
0.578% |
0.1% |
新興国株 |
シュローダーBRICs株式ファンド |
1.974% |
0.3% |
国内REIT |
MHAM J−REITアクティブファンド |
1.05% |
0.3% |
商品 |
ダイワ“RICI R”コモディティ・ファンド |
1.08% |
なし |
バランス |
SBI 資産設計オープン<スゴ6> |
0.714% |
0.15% |
定期預金 |
スルガ確定拠出年金スーパー定期1年 |
なし |
なし |
保険 |
スミセイの積立年金保険(5年) |
なし |
なし |
「ダイワ“RICI R”コモディティ・ファンド」は、かの有名なジム・ロジャースが設定している「ロジャーズ国際コモディティ指数」をベンチマークとしています。大まかな投資割合は、原油やガスなどのエネルギー関係が5割弱、金属系が2割、小麦や大豆などの穀物類も2割という比率になっています。
商品というのは、株や債券のように付加価値を生む存在ではありません。過去のデータからも、物価上昇率を差し引いた利回りは、長期的にはほぼゼロに落ち着くという結果も出ています。しかし、新興国での爆発的な人口増加=需要増大を考えると、このデータは将来的にはあてにならないかも知れません。筆者は個人的には、あまり積極的にポートフォリオに組み入れるべきではないと考えていますが・・・いずれにせよ、多様な選択肢が備えられていることは良いことです。
全体的にみると、信託報酬はやや高コストですし、信託財産留保額(解約コスト)が設定されているファンドが多いことは弱点です。しかしそれ以上に、新興国株式や商品やREITなど、幅広い資産に分散して投資できることは魅力です。SBI証券の確定拠出年金プランは、自分流に年金運用ポートフォリオを構築したい人向けで、スルガ銀行と同じタイプといえます。
また2008年7月には、確定拠出年金に個別株運用を導入するプランがあるとのプレスリリースがありました。その後の展開は発表されていませんが、実現すればこれも日本初の試みとなります。どういう形になるのかは分かりませんが、SBI証券がこのような野心的な展開を試みることで、停滞している個人向け確定拠出年金の業界全体が活発化することを期待したいです。
※完全に余談になりますが、ライバルであるはずのスルガ銀行の定期預金を扱っている点は何故なんでしょうね?
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