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錬金術の矛盾

金(ゴールド)は紀元前のツタンカーメンの時代から、1971年に金本位制の終焉(ニクソンショック)まで、高い価値を保証するものとして、世界各地で「通貨」として利用されてきました。そして、世界中で多くの学者たちが大富豪になることを夢見て、人工的に金を生成する「錬金術」の研究に携わってきました。かの有名なアイザック・ニュートンも錬金術に没頭していたとか。

しかし今日に至るまで、錬金術は未完成のままです。ロケットで人間が月に行ったり、携帯電話で地球の裏側の人間とリアルタイムで話せるようになるなど、人類の目覚ましい科学の進歩があるにも関わらず、たかが一つの金属を生成できないというのはおかしな話です。

実は科学的な難易度以前の問題として、錬金術には大きな矛盾を抱えているのです。

なぜ古代より金はこれほど重用されてきたのでしょうか? 輝きの美しさも確かですが、その程度なら人工的に作り上げることは簡単です(金色の折り紙はわずか数円で作れますよね)。金が大きな価値を持ち続けていることの最大にして唯一の理由は、その希少性からです。

金は有史以来の累計でも15万トン(50Mプール約2杯分)だけしか採掘されておらず、また地球上の残りの埋蔵量(確認埋蔵量)も9万トン弱程度しかないとされています。滅多に採れない存在だからこそ、これほど高価な価値を保ち続けているのです。

ところがもし、ニュートンらが目指したように人工的かつ低コストで金が生産できることになれば、金の希少性は失われてしまいます。すると、現在はわずか1グラムで3000円ほどもする金の価格は、間違いなく大暴落を起こすでしょう。つまり、もし錬金術が成功しても、そのことが金の価格を暴落させるので、研究者は決して大儲けすることは出来ないのです。錬金術が完成しないのは、近年の錬金術師(研究者)達がこの矛盾に気づいたためとも考えられます。

錬金術が完成したら、金価格は暴落するので・・・

ですから仮に錬金術が完成しても、研究者はそのことは絶対に公表しないでしょう。そして市場価格に影響が出ない程度に、少しずつ金を生成して売り続け、細々と儲けを出していくはずです。錬金術は既にどこかの研究者が完成させているが、それが公になっていないだけだという噂もあります。

ちなみに金と並び、その希少性が高い価値となっているダイヤモンドは、現在では人工的に生成できるようになっています。それでもダイヤモンドの価格が暴落しないのは、一般的にはコストが高いからと認識されていますが、実はダイヤモンド市場を長年独占していたデビアス社が圧力をかけ、人工ダイヤモンドの流通を阻止していたからとも言われます。現在ではデビアスを通さないダイヤモンドの流通も増えているようですが、それでも市場の半分未満といわれています。

世界中で自由に取引できる金は、市場が独占されているダイヤモンドとは違い、価格を作為的にコントロールするのは不可能です。故に、安価に生成できる錬金術は、未来永劫達成されないであろうと考えられます。



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