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アメリカ株式市場の平均PERの推移

株価の割安・割高を判別する指標として、最も有名なのは「PER」でしょう。当サイトでも、低PER銘柄が長期的には高い利回りを記録するというデータを示したように、株式市場では最重要な指標です。

個別株のPERというのは多くのデータが残っていますし、自分で計算することも出来ます。これは外国株でも同様で、企業の各年の一株利益、そして株価の時系列データがあれば【株価/一株利益】で算出出来ます。米国のヤフーファイナンスに行けば、【Historical Price】で過去の時系列データを見れ、古い企業なら1960年代位からの株価4本値データが揃っています。

しかし、株式市場全体のPERというのは、中々データがありません。理論上は、例えばNYダウなら30銘柄、S&P500指数なら500銘柄全てを調べれば計算できるはずです。しかし暦年データとなれば、除数の変更や銘柄入れ替え、企業同士の合併や分社化など様々な遍歴があるため、正確な算出は事実上不可能でしょう。

市場全体のPERを知りたければ、株式市場を研究している学者か証券アナリストなどが公表しているデータを頼ることになります。アメリカ株については、エール大学のロバート・シラー教授がWEBサイトに公表しているデータが、多くの書籍で参照されていることから、最も信頼性の高い資料と言えるでしょう(※1)。このデータは、ニューヨーク証券取引所(1962年以降はナスダック・アメリカンも含む)の全上場銘柄を時価総額加重平均したものだそうです。

このシラー教授のデータを元に、1900年以降のアメリカ株式市場のPERからグラフを作りました。資料から計算した1900〜2010年の平均PERは16.3倍でした。別の資料には、1870〜2001年のPERは14.5倍というデータもあります(※2)。

アメリカ市場のPER推移グラフ

上記(1900〜2010年)PER推移のエクセル版の時系列データ。ソースは同じくシラー教授WEBサイトより。

世界恐慌からニフティフィフティ、そしてITバブルへ

過去100年のアメリカ株式市場では、3度大きなバブル現象がありました。1つは世界大恐慌の引き金となった、1920年代後半のバブル(※3)。当時は「路上の靴磨きですら株の話をしていた」という逸話もありますが、市場全体のPERは30倍を超えており、これは近代アメリカでは二番目に大きなバブルでした。なお36〜7年にかけて、一旦暴落したPERが再び20倍越えの水準に高まったのは、株式市場にマネーが戻ったというより、世界大恐慌により企業業績が悪化し、一株利益が激減した為です。

二つめは、1970年代のニフティフィフティ(素敵な50銘柄)と呼ばれたバブルです。アメリカを代表する巨大企業で、かつ高い成長力を誇っていた50銘柄に、機関投資家を中心に人気が集まったという現象です。ニフティフィフティがピークを付けた1972年末、この50銘柄のPERは41.9倍にも達していました(※4)。しかしアメリカ市場全体の平均PERは18.6倍に過ぎませんでした。つまり、米国の株式市場全体がバブルだった訳ではありません。そして1973年にオイルショックが起きたことも重なり、アメリカでは「株式市場は死んだ」とまで言われるほどの低迷期に入りました。

そしてアメリカ市場最大の過熱相場だったのが、1990年代後半のITバブル(ドットコムバブル)です。当時人気を博していたシスコ、AOL、オラクル、ヤフーなどは、PERが100倍を超えるという異常事態でした。そして1999年末には、米国株の平均PERが44倍にも達しました。このITバブルは日本にも波及し、特にソフトバンクの時価総額は20兆円にも達しました。しかし、これら日米のIT企業が実際の収益力からかけ離れた株価であったことは明白で、2002〜3年頃には各社とも株価は数十分の一にまで暴落しました。

なお、米国市場の平均株価とされるS&P500指数は、1957年に組成されたものです。近年、S&P500指数は米国の時価総額の約75%を占めていることから、上記のPERについても近年のものは「S&P500指数の平均PER」と捉えて問題ないでしょう。

 

※1:ロバート・シラー教授のWEBサイトは http://aida.econ.yale.edu/~shiller/ 
※2:ジェレミー・シーゲル著「株式投資(第一版)」の99ページより。
※3:バブル自体の名称は定まっていないようですが、崩壊については「暗黒の木曜日」と呼ばれています。
※4:ジェレミー・シーゲル著「株式投資(第一版)」の158ページより。

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