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世界の医薬品メーカー売上高ランキング

ご存じのように、日本では少子高齢化による医療費増大が問題視されています。実はこれは日本だけでなく、アメリカもヨーロッパも平均寿命が延びており、先進国は全て高齢化による医療費の増加問題が深刻化しているのです。

逆にいうと、医療関係の企業にとっては、21世紀は売上の急拡大が見込めることになります。では実際に、投資対象としてどのような妙味があるのか考察してみます。

まず第一弾として、世界の製薬メーカーについて、売り上げのランキング付けを行ってみました。売上高の単位は百万米ドルです(米国以外の企業は年末レートで換算)。

順位 企業名 国名 売上高
2010年
売上高
2009年
売上高
2008年
1 ファイザー アメリカ 58523 45448 63199
2 ノバルティス スイス 41994 38455 35647
3 メルク アメリカ 39811 25236 23850
4 サノフィ フランス 39515 42020 38863
5 ロシュ スイス 39389 39445 36101
6 グラクソ・スミスクライン 英国 36167 37767 37705
7 アストラゼネカ 英国 32515 31905 30677
8 ジョンソン&ジョンソン アメリカ 22396 22520 24567
9 イーライ・リリー アメリカ 21685 20629 19285
10 アボット・ラボラトリーズ アメリカ 19894 16486 16708
11 ブリストル・マイヤーズ アメリカ 19484 18808 17715
12 テバ イスラエル 16121 13899 11085
13 武田薬品工業 日本 15541 14285 13467
14 アムジェン アメリカ 14660 14351 14687
15 バイエル ドイツ 14455 15001 15089
16 べーリンガー ドイツ 13703 15542 13646
17 アステラス製薬 日本 11697 10557 9386
18 第一三共 日本 11313 9800 9624
19 ノボ・ノルディクス デンマーク 10812 9838 8632
20 エーザイ 日本 9101 8429 8933

※順位は2010年の売上高を比較。売上は各企業の公式IRではなく、複数の出典よりまとめて作成しており、また決算期や為替レートにより、正確な売上高と微妙に変わっている可能性があります。あくまで大体の数値としてお考え下さい。

世界のトップ20に入る製薬企業は、それぞれ売上高が100億ドル(約1兆円)を超える「メガファーマー」と呼ばれる存在です。ではこれらのメガファーマーは、今後も順調に売上を伸ばしていけるのでしょうか?実は2つの問題が、世界のメガファーマーの成長を阻害すると予測されています。

1つめの問題は、世界的な医療費の抑制政策です。最初に述べたように、世界的に高齢化による医療費の増大が深刻化しており、日本以外の先進国でも健康保険制度の維持コストが莫大に膨れあがっています。そのため各国では、医療費抑制政策の1つとして、価格の安い後発医薬品(ジェネリック)への切り替えを推進しています。

上記のトップ20に入る企業では、ジェネリックメインの製薬会社はイスラエルのテバだけです。ノバルティスなど一部ジェネリックも作る企業もありますが、ほとんどの企業は新薬開発がメインで、ジェネリックは扱っていません。故にメガファーマーは、世界的な医療費抑制のダメージを大きく受け、成長にマイナスに働くと考えられるのです。

メガファーマーの合併・巨大化は有効なのか?

そしてもう一つの問題が、画期的な新薬開発が難しくなっている現状なことです。20世紀終盤までに、既に多数の人間が患者となる病気に対しては、概ね治療薬は出そろっており、残されたのは「癌」や「リウマチ」などの難病だけという状況です。

癌やリウマチは、長年に渡り世界中で研究されていますが、有効な治療薬は一向に生まれてこない難攻不落の病です。今後も研究を続けたとしても、治療薬は永久に生まれないだろうと言う専門家も居る位です。一方、治療薬が確立されていないマイナーな病気は沢山ありますが、その特効薬を作ったとしても、売上高が数兆円規模のメガファーマーにとっては、利益が小さすぎて成長に貢献できません。

この難局を乗り切ろうと、世界のメガファーマーは規模のメリットを求めて合併・買収を繰り返しています。売上高世界一のファイザーは、合併の連続でその地位を確立しました。また、独立路線を歩むことがポリシーと言われていたメルクでさえ、2009年にはシェリング・ブラウを買収して、企業規模の拡大に走り出しました。合併により、合理化と研究開発費の拡大を目論んでいる訳ですが、この戦略が成功したといえる企業は、現状では見当たりません。

企業規模が大きくなればなるほど、成長力に限界が生じます。売上高100億円の小さな会社が10倍に成長するのは十分可能ですが、売上高5兆円のファイザーが50兆円に成長することは不可能に近い話です。投資家にとっても、メガファーマーが無闇に規模を拡大することは、決して好ましい話とは言えないでしょう。

ジェレミー・シーゲルは著書「株式投資の未来 」の中で、生活必需品とヘルスケアの両セクターへの投資が有効だと説いています。確かに20世紀後半は、ファイザーやメルクなどの巨大製薬メーカーが多数の新薬を開発し、医薬品メーカーは莫大な利益を上げたおかけで、ヘルスケアセクターの年率利回りはS&P500を2.5%以上も上回りました。

しかし21世紀に入り、世界の巨大製薬企業は医療費抑制や新薬開発の壁にぶち当たり、不毛な業界再編を繰り返し、迷走しているのが現状です。世界的に医療業界へのマネー流入は確実視されますが、メガファーマー関しては、20世紀後半のような高成長を続けることは、極めて難しい状況です。特にヘルスケアETF(IXG)は、保有銘柄ウエイトの大半がメガファーマーが占めるので、高い利回りは得られない可能性が高そうです。

 

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