アメリカへ投資する方法
アメリカは世界最大の経済大国であり、また金融市場も最も発達した国です。日本からアメリカへの投資は、個別株式、ETF、投資信託、為替FXと、ありとあらゆる金融商品が揃っています。
米国株や米国市場のETFへ投資できる証券会社は、楽天証券 やSBI証券 の外国株口座を開設するのが、最も手軽で手数料も安いです。2011年6月時点で、楽天ではアメリカ株754銘柄とADR136銘柄を取り扱っています。SBIではアメリカ株とADR合わせて645銘柄です。かつては楽天証券の売買可能時間が短かったのですが、今はSBI証券と同じで、米国ザラ場中(日本時間朝5or6時まで)ずっと取引可能です。手数料は両者とも同じです。
現在、アメリカの主要産業はサービス業やIT産業であり、製造業はほぼ壊滅しています。90年代までは日本製品、近年は中国や韓国の安価な製品に太刀打ちできなくなったからです。金融危機でGM(ゼネラルモーターズ)が破綻した事がその象徴です。
一方で、世界のIT産業を支えているのは、マイクロソフト・グーグル・HP・IBMなど、ほぼ全て米国企業です。また世界展開しているサービス業ではマクドナルドやスターバックス、そして生活必需品関連ならP&Gやコカコーラなど、非製造業部門では、アメリカ企業はグローバル市場で圧倒的な強さを誇っています。
個別株に投資するなら、このようなアメリカ経済のパラタイムシフトを意識しておく事は必須です。上記で紹介したような超有名企業は、全て楽天やSBI証券で購入できます。
余談として、アメリカの銀行口座を開設する方法も。三菱東京UFJ銀行では、系列である「UNION
BANK」(ユニオンバンク)の米ドル建て預金口座を、日本に居ながら開設できます。またハワイにある幾つかの銀行でも、パスポート一つで口座開設できます(Bank
of Hawaiiなど、日本語で対応してくれる銀行もある)。
短期的にはドル安が最大のリスク
ではアメリカ株へ投資する際のリスクについて。短〜中期的には、政府のドル安政策がネックになります。
アメリカは双子の赤字(経常&財政赤字)を抱えていますが、恒常的なドル安政策で乗り切っています。端的に言えば、借金を「お金を刷って」返しているのです。そのため、アメリカでは常に年率2〜5%程度のインフレが起きています。
一方、日本では日銀のデフレターゲット政策により、インフレ率はマイナスが続いています。このため、通貨の相対量の変化から、短期的には円高・ドル安圧力が続く事になります。長期で見れば、日米の金利差が広がるであろう事や、日本経済の3重苦から、円安・ドル高に進む可能性は高いでしょう。しかし5年程度の期間なら、まだまだ円高が継続することは十分あり得ます。
他の国への投資と同様、外国株投資は10年単位の長期スパンで考えるべきで、短期では為替差損の危険性があることに留意すべきです。
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