ライアンエアーの会社概要
ライアンエアーはアイルランドを本拠地とする、ヨーロッパ最大の格安航空会社(LCC)です。ロンドン市場、及び米国のナスダック市場にADRとして上場しています(ティッカーはRYAAY)。 世界の3大航空アライアンスには属していません。
ライアンエアーは2011年度、ヨーロッパを中心に27カ国、160カ所の空港へと就航しており、路線数は1300以上を数えます。アイルランドのダブリン空港をハブとしており、保有する航空機の数は294機です。国際定期線の旅客数は7500万人に達し、2位のルフトハンザ航空の4150万人を大きく引き離し世界最大です。
同社は徹底したコストカットを武器に、格安料金で空の旅を提供しています。航空券が破格な分、機内食や手荷物が有料となるなど、通常の航空会社とは異なるLCC特有のサービス体系となっています。また就航する空港も、市街地から遠距離にある、着陸料が安い空港が主体です。
同社の平均航空券代金は39ユーロとなっており、ルフトハンザ航空の244ユーロとは比較にならないくらいの低価格です。同じ格安航空会社のイージージェット54ユーロと比べても、価格優位が際立っています。
しかし、格安な料金とは裏腹に、ライアンエアーは様々なメディアで「サービスの質が世界ワーストの航空会社」と酷評されたりもしています。また、一度に大量の客を乗せようと「立ち乗り席」導入を考案したり、キャビンアテンダントの水着カレンダーを販売するなど、物議を醸す行動の多い企業でもあります。しかしこれらも、自社の知名度を上げる為の広告戦略なのでしょう。
ライアンエアーは他社と同様、2008年の金融危機以降の航空需要の減少を大きく受け、株価は停滞しています。2011年のIR情報(アニュアルレポート)によると、2013年に向けて保有航空機と旅客数において10%の成長を目指すと、巻き返しを図っています。今後、7900万人の旅客数を抱えられるように、新しい空港と基地の準備を行うようです。またEU域内の他の航空会社への買収戦略も引き続き行われることが明記されています。
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