モンゴルへ投資する方法
モンゴルと聞けば、朝青龍や遊牧民位しかイメージが沸かない人は多いかと思います。実際にモンゴルは、世界でも最も経済発展の遅れた国の1つです。MSCIの区分でも、新興国はおろか、フロンティアマーケットにすら属していません。
そんなモンゴルですが、実は株式市場は存在しています。社会主義からの脱却が図られた1991年に、モンゴル証券取引所(MSE)が設立され、2010年現在で400社近くが上場しています。代表的企業20社で構成される「MSE
Top20 Index」という指数も存在します。
残念ながら、日本から投資する環境は整っていません。上記のように、フロンティアマーケットにすら満たない市場とされているので、モンゴル株が組み入れられたETFは存在しません。
モンゴル株へ投資するには、現地の証券会社に出向いて口座を開設する必要があります。幸い、外国人投資家にも門戸が開かれており、日本でも「モンゴル口座開設ツアー」を行う会社もあります。
時価総額の小ささやトグログ安がリスク
モンゴル株投資の注意点としては、何といってもマーケットが小さすぎる事です。MSEの全企業合計の時価総額でも1000億円程度しかなく、これはトヨタやアップル一社の時価総額と比べても100分の一以下(!)という規模に過ぎません。ゆえに、数年前のベトナム株のように、モンゴル株投資が過熱すれば、株価は激しく乱高下する可能性があります。
またモンゴルのインフレ率は、近年10%を超える高い水準にあります。そのため、通貨=トグログの日本円との為替レートも、2010年までの10年間に約33%の円高に進んでいます。海外からモンゴルへの直接&間接投資は増加傾向にあるので、長期的には円安=トグログ高に進む可能性もありますが、短期的には円高による為替差損が発生するリスクは十分にあるでしょう。
モンゴルの株式市場は、2010年はアジアで最も高い上昇率を記録したようです。また近年では、モンゴルの不動産を対象とするファンドなども生まれています。確かに未開のマーケットほど、成長に乗った際のリターンは爆発的に増えます。しかし、モンゴルは資本市場が十分に整備されていないので、上記に挙げたリスクも十分把握した上で、投資の判断を行うべきです。
|