ドイツポストの企業概要
ドイツポスト(Deutsche Post AG)は、1995年に政府の所有企業であったドイツ連邦郵便が分割民営化して誕生した、同国の物流企業です。2002年には、国際的な宅配便会社のDHL(※注)を100%子会社化し、現在はドイツポストDHL(Deutsche Post DHL)という統合ブランドのもとに事業展開しています。
フランクフルト証券取引所とロンドン証券取引所に上場しており、ドイツ株価指数(DAX)の構成銘柄でもあります。なお、カタカナ表記においてはドイチェポストと表記することもあります。
ドイツポストは、国内とヨーロッパ域内での売上比率が全体の64%となりますが、その他、アメリカが17%、アジア・太平洋地域が14%を占めるなど、世界的な事業展開を行なっています。郵便事業、宅配事業、国際貨物輸送事業、サプライチェーン事業の4事業を展開して、それぞれが売上高の2〜3割づつを占めており、バランスの良い経営を行っています。
ドイツポストの2010年のIR情報(アニュアルレポート)によると、国際的な物流ビジネスは、グローバリゼーションの進展によって、さらなる成長機会を迎えるだろうと述べています。同社は、特にアジア地域を重要視しており、アジアにおいて競合他社よりも高い知名度を持つDHLブランドが収益に貢献すると予想しています。中国及び北アジア地域においては、2010年に12カ所の支店を新たに置き、物流ネットワークを順次拡大しています。
ドイツポストは中期目標として、年率7〜9%の売上高成長率を掲げています。特にDHL部門がその成長率を牽引するとしています。
※注:DHLは、国際宅配便における世界最大規模の会社。全世界200以上の国・地域に進出しており、ドイツポスト社の国際物流部門という位置付けです。日本でもDHLジャパン株式会社が事業展開しています。
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