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タタモーターズ(ジャガー・ナノ等)について

タタ・モーターズ(Tata Motors Limited)は、インドのマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置く自動車会社。インド最大の財閥であるタタ・グループのフラッグシップ企業でもあります。国内のムンバイ証券取引所(BSE)、及びニューヨーク証券取引所にもADRとして上場しています。

タタモーターズは、インド国内の商用車部門では、市場シェアの約6割を握るマーケットリーダーです。一方で乗用車部門では、マルチスズキ(日本のスズキの子会社)が約5割のシェアを持っており、同社は追う立場です。しかし、後述する「ナノ」の普及およびジャガー部門を活用することで、近い将来マルチスズキを逆転する可能性が非常に高いと思われます。

 
タタモーターズのP/L(損益計算書)
 

タタモーターズの名が世界に轟いたのは、10万ルピー(当時レートで約20万円)の格安自動車「ナノ」の発表からです。しかしもう一つ、同社が行った画期的な戦略が、イギリスの名門自動車会社=ジャガー&ランドローバーの買収です。インドのような途上国の無名の会社が、英国王室御用達の高級車=ジャガーを買収するなど、誰もが予想だにしなかった出来事です。

部門別売上高でも、ジャガー部門が過半数を稼ぎ出しています。一方で、ナノは値段からも分かるように、ほぼ原価ギリギリ、利益の出る車ではありません。

しかしインドでは、国民の所得が急激に伸びてきており、今はナノしか買えない人も、将来的にはもっと高級な自動車に買い換えれる時代が来ます。その際、ジャガー&ランドローバーという高級ブランドを持っていることが、大きな強みとなります。日本のトヨタ自動車が、高度成長期に「いつかはクラウン(※注1)」というCMで一世を風靡しましたが、タタモーターズも「(ナノを買った人も)いつかはジャガー」という戦略を狙っていると思われます。

ナノという車は、インドの消費者に、自動車市場へのエントリーを広げさせる為の『顧客獲得ツール』に過ぎないのです。自動車ユーザーに夢のある高級車を提案できる・・・この点がマルチスズキには無い強みです。23億ドルというジャガーの買収金額は、将来的には十分元の取れる投資でしょう。

余談ですが、2008年に計画が発表され話題となった、圧縮空気自動車(※注2)「タタ・ワンキャット(TATA OneCAT)」については、すでに開発に頓挫したとの報道もあります。現在は、同社のIR情報などにも一切言及が無いようです。

 

※注1;日本のサラリーマンの出世に合わせ『平社員(カローラ)⇒係長(マークU)⇒部長(クラウン)』と、マイカーもランクアップしていく夢を描いた、トヨタ史上最も成功したマーケティング戦略。
※注2;空気自動車の開発を行うメーカーはほとんど無く、タタ・ワンキャットが中止すれば、次世代カー争いは電気(ハイブリッド)VSバイオエタノールに絞られます。




タタモーターズ会社概要

現在の株価(米国ADR)

タタモーターズの売上高比率
地域別売上高
タタとジャガーの売上比率

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