中国・上海市場へ投資する方法
このページでは、中国本土・上海への投資方法を解説します。
中国の株式市場は、大きく分けて「上海(&深セン)」と「香港」の二つが存在します。香港は外国人投資家向けの市場で、通貨も香港ドルを使用しています。
上海や深セン市場は、基本的に自国民(中国人)向けの市場で、通貨単位も人民元を使用します。そして外国人の投資は大幅に制限されており、我々日本の投資家が個別株へ投資できるのは、「B株」という種類に限定されます。しかしB株は、企業数や流動性が非常に乏しく、通貨も香港ドルや米ドルが用いられており、投資する意義は薄いです。
中国株式市場の分類 |
市場 |
分類 |
対象 |
通貨 |
上海 |
A株 |
中国人限定 |
人民元 |
B株 |
外国人 |
米ドル |
深セン |
A株 |
中国人限定 |
人民元 |
B株 |
外国人 |
香港ドル |
香港 |
なし |
外国人 |
香港ドル |
出来ることなら、多数の企業が上場し、取引通貨が人民元(=元高の恩恵を直接受けられる)であるA株に投資したい所です。しかしA株を買える外国人は、QFIIという資格を持ったごく一部の機関投資家に限定されています。
・人民元切り上げの意味
・人民元切り下げの影響
しかしETFなら、上海A株に連動するものもあります。国内なら1309、1322がそれに該当します。また香港市場にあるETFにも、上海株式市場に連動するETFがあります。
上海市場へ投資するETF |
ETF名 |
コード |
上場場所 |
信託報酬 |
上海50連動投信
|
1309 |
東証 |
0.99% |
上場中国A株(パンダ)CSI300 |
1322 |
東証 |
0.99% |
iシェアーズ FTSE 中国A50 |
02823 |
香港 |
0.99% |
iシェアーズ CSI300中国A株 |
02846 |
香港 |
0.99% |
上海ETFのリスク〜乖離問題など
ところが上記の赤字で示したものは、ETFとの触れ込みですが、実際は現物株を持たない「ETN(リンク債)」なので、保証会社が破綻すれば紙くずと化すリスクがあります。それなのに現物を取り入れたETFと比べてもコストが変わらないので、購入するメリットがありません。
よって投資するなら、余計なリスクを背負わないやパンダ(1322)や中国A50(02823)の方をお薦めします。但しパンダの注意点としては、ETFの売買価格が実際の指数よりも、かなり割高に乖離し続けている点が気がかりです。モーニングスターのサイトなどで、ETFの価格乖離情報が載っていますので、+5%以上乖離している場合は、購入を一時見合わせるなどした方が良いかも知れません。
一方で朗報もあります。2011年8月より、東京金融取引所のFX「くりっく365」で日本初の人民元の外為証拠金取引が開始されました。人民元へ手軽に投資できる手段が広がったことは、素直に喜ぶべきですね。
もう一つ別の投資として、中国では外国人観光客でもパスポートさえあれば、銀行口座を開設できる所もあります。人民元から円への両替は、金額など制限事項が多いです。しかし、人民元を一旦香港に持ち込み、香港ドル経由で円に戻せばこの問題をクリアできます。
|